腸内フローラde健康ラボ

腸内フローラの力

2017年6月22日掲載

Vol.01 腸の健康が体全体の健康とつながる理由

腸内フローラを整えることが体全体の健康に寄与するのは、すでによく知られています。でも、どうしてでしょう?
最初に、腸について考えてみたいと思います。
人間に限らず、腸の大きな役割は、外からエネルギーを摂取し、不要なものは排泄するというものです。生命を維持するためには、どんな生物にとっても必要なことですね。

例えば、最も単純な多細胞生物といわれているヒドラという生き物がいます。ヒドラは、〝ほとんど腸〟というような生物で、主な器官は腸と口と触手だけ。「腸」は食べものを消化し、口は肛門の役割も同時に果たして、食べ物の取り込みと排泄を担います。腸には「センサー細胞」があり、この細胞が腸の内容物を化学的に認識して、信号物質(ホルモン)を放出し、「こんなものが腸の中にあるよ」と近くの細胞や神経に伝達して、その物質を判断し、消化したり排泄したりしながら生命活動を維持していくのです。

腸は免疫細胞が一番集まっている臓器

この仕組みは、人間に進化しても大きく変わらなかったとされています。口や肛門、腸はそのままに、触手のセンサー細胞は人間の舌の細胞「味蕾」という形で残っているというのです。脳などよりずっと進化の早い段階から存在する臓器ですから、生命維持という視点で見ると、脳よりも上位にあると言えるかもしれません。

このように、重要な役割を果たしている腸は、口から一続きになっており、食べものや菌などさまざま雑多な〝異物〟がたくさん入ってくる場所でもあります。体の中にありながら、外界と接しているというわけです。そこで守りを固めるべく、免疫細胞の半数以上が腸に集中しています。

広く知られているように、免疫は体に害を及ぼすものを排除する仕組みで、外から入ってくる病原菌はもちろん、がん細胞といった体の内側で発生するものも排除する働きがあります。一方で免疫機能が暴走してしまうと、花粉症などのアレルギーを起こすことがあります。

このように、生命を維持するエネルギーを摂取したり、体を守る免疫機構が正しく働いたりと、健康であるための基本的な機能において、腸が果たす役割が非常に重要だからこそ、「腸の健康が体全体の健康に結びつく」というわけなのです。

Vol.02 腸内フローラ、美肌をも左右する
Vol.01 腸の健康が体全体の健康とつながる理由