腸内フローラde健康ラボ

菌は生きもの

2017年11月22日掲載

乳酸菌と一緒では“生きにくい?”大腸菌

O157が圧倒される様子は、圧巻でした(http://www.microbiota.jp/movie/02.html)が、O157も、大腸菌の一種と言われると、ますます〝悪玉〟という印象が強くなります。それも、「大腸にいる菌」すなわち大腸菌という名称に所以がありそうです。

腸内細菌の中でも1、2を争う知名度の高い菌ですが、腸内細菌は酸素のあるところでは生存できない、偏性嫌気性菌が多いのですが、大腸菌は、通性嫌気性菌といって、酸素が存在しても生きられるという性質です。そのため腸内細菌の研究の黎明期、研究室の培養皿の上でも生存できたため、腸内細菌の代表格のように扱われることになったのです。しかし現在では、大腸菌がヒト腸内細菌の総量に占める割合は0.01%以下であるということ、また一般の大腸菌は有害でないことがわかっています。

大腸菌はいわゆる日和見菌です。腸内フローラを構成する菌の趨勢によって、時に有害な作用を及ぼすこともあります。一方で、生後すぐにアトピーになった子どもの腸内フローラには、大腸菌がまったくいなかったという報告もあり、完全に排除すればいいというわけでもなさそうです。腸内フローラに関しては、新しい研究もどんどん進んでいますが、まだまだわからないことも多くあるという証拠です。

この動画でもまた、先のO157の動画同様に、分裂の早い大腸菌が一時、乳酸菌を囲みます。しかしその後、段々と乳酸菌の勢力が拡大していくのです。
大腸菌や多くの有害菌は弱アルカリ性の環境を好みます。他方、乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌(有用菌)は、乳酸や酢酸といった酸性度の高い物質を産生します。そのため大腸菌にとっては〝生きにくい〟環境となるのです。

乳酸菌と一緒では“生きにくい?”大腸菌
ビフィズス菌に圧倒されるO157
全長約1.6m!の大腸