腸内フローラde健康ラボ

菌は生きもの

2017年9月26日掲載

ビフィズス菌に圧倒されるO157

大腸菌は基本的に無害ですが、時に重篤な感染症の原因になることがあります。腸管出血性大腸菌、いわゆるO157やO111です。
大腸菌には、種類(菌株)が多くありますが、O157やO111も大腸菌の一種で、ウシなど主に家畜の腸にすんでいます。生肉を食べることや、生肉を調理した器具で別の食材を調理しないように、などと言われるのは、そのためです。
本来の宿主には無害なのですが、人間にとっては有害なベロ毒素を産生し、溶血性尿毒症症候群や脳症(けいれんや意識障害)を起こさせることがあるのです。

では、O157のような大腸菌が、どうしてビフィズス菌との勢力争いに負けてしまうのでしょうか。
それはビフィズス菌が産生する酢酸の力によるものです。ビフィズス菌は、糖質などを分解すると酢酸を産生します。酢酸の抗菌作用は、同じ濃度の場合、塩酸などと比較しても高く、そのため大腸菌を始めとした有害菌は、ビフィズス菌の産生する酢酸が多くある場所では増殖が難しくなるというわけです。

画面では、最初は、O157が勢力を拡大するかに見えます。これは大腸菌一般のほうが増殖のスピードが速いからです。O157は数十分で倍になりますが、ビフィズス菌は分裂するのに1時間以上かかります。しかしその後、ビフィズス菌の活動によって酢酸が増えることで、O157の勢力が弱くなることがわかります。O157が完全に死滅することはありませんが、一部は死んでしまったり、一部は活動を抑制されたりするというわけです。

乳酸菌と一緒では“生きにくい?”大腸菌
ビフィズス菌に圧倒されるO157
全長約1.6m!の大腸