サテレラ パルビルブラ分布:ヒトの腸内
菌の大きさは0.4〜1.0×0.4〜2.0マイクロメートルととても小さく、シャーレの中では培養に失敗したかのような小さなコロニーしか形成しません。そのため、集めるのが困難な菌の1つですが、集めた菌を固まりで見ると赤色であるという特徴を持っています。そこで、ラテン語で「小さい」を意味する “parvus”と「赤い」を意味する“ruber”を組み合わせ、「パルビルブラ」と名付けられました。
サテレラ属はこれまで2つの菌種が報告されていて、「サテレラ ワズワーセンシス」は胃腸の感染症の患者から、「サテレラ ステルコリカニス」は犬の糞便からそれぞれ発見されており、健康な人からは見つかっていませんでした。しかし、細菌由来の遺伝子配列データベースを調べると、サテレラ属に分類される腸内細菌の存在を示すデータが各国の研究グループから報告されています。また、パラサテレラ属という近縁な菌もその後発見され、この菌もヒトの腸内に普遍的に存在している菌であると考えられています。